手術室の灯りが消えた瞬間、外で待っていた全員が立ち上がった。
みんな一斉に入り口の方を見た。
別に老いぼれに深い感情があるわけではなく、老いぼれの生死が寺田凛奈の罪の有無を決めるからだ!
寺田雅美は拳を握りしめ、心の中で祈っていた。
死んでくれ、死んでくれればこんなに面倒なことにならないのに!死んでも他のことはそれほど変わらないはず……
彼女がここで祈っている間、寺田真治も顎を引き締めていた。
彼だけが知っていた。寺田凛奈が手術室の中にいることを。でも彼女が入ったのは遅すぎた。彼女がAntiだとしても、本当に全員から死刑宣告を受けた老いぼれを救えるのだろうか?
彼は深呼吸をした。
もし老いぼれが死んだら、寺田凛奈は嫌疑を晴らせない。そして今、警察が外で待機しているので、寺田凛奈は絶対に逃げられないだろう。