第367章 臍帯血!!

福山亜由莉は寺田真治の人だ。

  言ってみれば、幼い頃から真治の世話をしてきたベビーシッターで、心配りが細やかで頭も良かったので、ずっと寺田家で働いていた。

  真治が成長するにつれて、福山亜由莉も彼の生活の世話から徐々に昇進し、三原耀子が警察に連行される前には、家での発言力がかなりあった。

  三原耀子や寺田雅美でさえ、真治との関係から、彼女に一目置いていた。

  結局のところ、三原耀子は年を取り、真治は新世代の寺田家の権力者だ。彼女の将来の地位は想像に難くない。

  福山亜由莉は寺田雅美の成長も見守ってきたが、真治に忠実であるため、自然と雅美のことは好きではなかった。

  結局のところ...真治こそが寺田亮が選んだ人物であり、雅美は寺田亮の養女で、家での地位が高く、常に他人を押さえつけていた。

  以前、秋田花泉が雅美に譲歩しているのを見たとき、彼女は思わず、将来、若旦那が嫁を迎えたら、家でも彼女に譲歩しなければならないのかと考えた。

  しかし、真治の妻こそが寺田家の奥様であり、寺田家の未来の女主人なのだ!

  だから、福山亜由莉と寺田雅美は生まれながらにして対立する立場だった。

  さらに、老いぼれが毒を盛られた事件で、知る人ぞ知る、三原耀子は雅美の指示を受けたか、騙されたかのどちらかだったため、雅美をさらに軽蔑していた。

  雅美が家を取り仕切る権利を剥奪され、今では家の細々とした事は彼女が決めている。

  なぜなら、福山亜由莉はこの言葉に脅威を感じず、ただ笑って口を開いた。「お嬢様、そんなことをおっしゃって。あなたは凛奈さんより年上ですから、寺田家の大小姐はもちろんあなたですよ!ただ、ここにはお客様がいらっしゃいますし、先ほど若旦那から家のことを任されたばかりで、こちらもいろいろと雑事が絶えません。私は身分が低く、発言力も弱いので、慎重に行動しなければなりません。少しでも間違いを犯すわけにはいきませんし、お客様の前で恥をかくようなことは絶対にできません。お客様を応接間に放っておくなんてことをすれば、それが広まったら、私が非難されるのではなく、寺田家のしつけが悪いと言われてしまいます。そう思いませんか?」

  寺田雅美:!!