第366章 誰が本当のお嬢様なのか

寺田凛奈は京都に来てから既に２、３ヶ月が経っていましたが、この数ヶ月の間、夢葉製薬会社は毎回きちんと配当金を彼女の口座に振り込んでいました。

　　彼女はただお金がたくさんあるだけで、特に気にしていませんでした。

　　しかし今思い返してみると、高岡佳澄は母親が自ら選んだマネージャーであり、夢葉製薬を管理し、寺田健亮に介入されて奪われないようにしているのは、きっと自分なりの手段があるからだ！

　　彼女はリリに頷いてから、携帯電話を手に取り、脇に寄って高岡佳澄に電話をかけ始めました。

　　電話がつながるとすぐに、高岡佳澄の興奮した声が聞こえてきました。「お嬢様、やっと決心がついて、会社を継ぐために戻ってくるんですか？」

　　寺田凛奈：「……」

　　なんでこいつこんなに熱心なの？

　　会社の管理をそんなに嫌がっているの？

　　彼女は口角をピクリと動かし、尋ねました。「いいえ、ただ一つ質問があるだけです。」

　　相手の声はすぐに低くなり、元気なさそうに：「ああ、聞いてください。」

　　寺田凛奈は尋ねました：「母が私のために何か置いていったものはありますか？」

　　「ありますよ！」

　　相手が話そうとする前に、寺田凛奈に遮られました：「愛情や思い出以外の、実際のものはありますか？」

　　「……それですか！」高岡佳澄は長く息を引き延ばし、ため息をつきました：「具体的に何が欲しいんですか？」

　　寺田凛奈は試すように尋ねました：「例えば、毛包付きの胎毛とか？あるいは血液サンプルとか？」

　　高岡佳澄：「そんなものはありませんよ、お嬢様。あなたのお母様が私にあなたの胎毛を預けるわけがないでしょう？私は変態じゃありませんし、胎毛を集める趣味もありません！」

　　寺田凛奈：「……」

　　高岡佳澄は尋ねました：「お嬢様、お忙しいですか？」

　　寺田凛奈：「まあまあです。どうしました？会社に何か問題でも？」