第365章 当時のDNAサンプル?

藤本凜人はそこに立ち、石山博義が彼女を機密室に連れて行くのを目の当たりにして、眉をひそめた。

  機密室は、国家の重要な案件を処理する時にのみ使用される部屋で、中での全ての会話は録音されず、記録されない。

  だから、事件の協議でも、事件の宣告でも、そこで行われる。

  以前、石山博義が強引に寺田凛奈を連れ去り、保釈も許さなかった時、彼は寺田凛奈がある事件に巻き込まれたのかもしれないと感じていた。

  今、その謎が finally 明かされるのだろうか?

  彼は目を伏せ、瞳は漆黒で、目尻のほくろさえも輝いているようだった。彼の様子を見ると、その秘密が何であるかを彼はすでに知っているようだった。

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  寺田凛奈は最初、尋問室の防音効果がすでに十分だと思っていたが、この部屋に入り、石山博義がドアを閉めた瞬間、彼女の心に不安が走った。