第353章 行け!

石山博義がポケットから書類を取り出し、彼女に見せようとしたその時、ドアの外から突然一人の人が走り込んできた。

  その人は私服を着ており、入室するとすぐに石山博義の前に駆け寄った。息を切らせながら、手に血液検査の報告書を持ち、直接口を開いた。「石山さん、老いぼれの血液から異常成分が見つかりました!」

  この言葉を聞いた石山博義の瞳孔が縮んだ。取り出していた逮捕状をすぐにポケットに戻し、彼の手から老いぼれの血液検査報告書を受け取ると、目つきが一瞬鋭くなった。

  彼は藤本凜人の方を向き、手の中の報告書を動かしながら直接口を開いた。「藤本さん、老いぼれの血液から未確認成分が検出されました。寺田さんが故意殺人事件に関与している疑いを持つに足る十分な証拠があります。今、もう何も言えないでしょう?」