少女は赤いドレスを纏い、銀の仮面をつけ、白い平底靴を履いていた。だらだらとした歩き方で、腰をゆったりと揺らしながら歩く姿は、奇妙にも厳粛な雰囲気を醸し出していた。
全員が安堵の溜め息をついた。「028号、やっと来たね!」
スタッフは慌てて彼女の後ろを見たが、誰も付いてきていなかった。
彼は一瞬呆然とした。「琉心と大...820号はどこだ?」
他の人々もようやく気づいた。来たのは彼女一人で、「世界第三」チームの他の二人は来ていなかった。
寺田凛奈は目を伏せた。
寺田洵太の姿を思い出し、彼女の瞳に冷たさと血に飢えた殺意が閃いた。
そのとき、もう一つの足音が聞こえてきた。
黒い仮面をつけた藤本凜人がスーツ姿で大股で入ってきた。入ってくるなり寺田凛奈を見て、ほっとした様子だった。
「820号も到着しました!」