第414章 大師兄と大師姉の共闘!

少女は赤いドレスを纏い、銀の仮面をつけ、白い平底靴を履いていた。だらだらとした歩き方で、腰をゆったりと揺らしながら歩く姿は、奇妙にも厳粛な雰囲気を醸し出していた。

全員が安堵の溜め息をついた。「028号、やっと来たね!」

スタッフは慌てて彼女の後ろを見たが、誰も付いてきていなかった。

彼は一瞬呆然とした。「琉心と大...820号はどこだ?」

他の人々もようやく気づいた。来たのは彼女一人で、「世界第三」チームの他の二人は来ていなかった。

寺田凛奈は目を伏せた。

寺田洵太の姿を思い出し、彼女の瞳に冷たさと血に飢えた殺意が閃いた。

そのとき、もう一つの足音が聞こえてきた。

黒い仮面をつけた藤本凜人がスーツ姿で大股で入ってきた。入ってくるなり寺田凛奈を見て、ほっとした様子だった。

「820号も到着しました!」

皆が口々に言った。「もう一人は?」

チーム戦では人数の優位性が重要だ。一人欠けると勝つ確率は大幅に下がる。さらに辻本凌也たち三人は非常に強い。大師姉と大師兄が出場しない限り、絶対に勝てないだろう。

スタッフも躊躇いながら言った。「なぜ一人足りないんだ?」

辻本凌也は真相を知っていて、冷笑しながら口を開いた。「大師姉、琉心はもう来られないんじゃないか?」

大師姉...

この三人に、場内は長い間騒然となった!

皆が寺田凛奈を見て、信じられない様子で囁きあった:

「これが大師姉なの?」

「なんてこと、彼女が大師姉だったんだ!」

「なるほど、なるほど。028号が一撃で敵を倒せたわけだ!彼女が大師姉だったんだ!」

「大師姉!大師姉!」

周りの人々は興奮して叫び始めた。

しかし寺田凛奈は拳を握りしめ、目を細めた。仮面をつけていたが、大師姉の身分が明かされても構わなかった。

しかし辻本凌也の「もう来られない」という言葉に、彼女の目はさらに冷たくなった。

元々寺田洵太の件は推測に過ぎず、善存堂の仕業だと断定する証拠はなかった。しかし辻本凌也のこの言葉で、彼女は確信した。

彼女は目を伏せたまま、一歩一歩リングに向かって歩いていった。

一歩ごとに、まるで二人分の重みを感じるかのようだった。