第418章 遅れてやってきた!

「大事なメールがあります」

  寺田凛奈はここまで言って、今朝目覚めてから寺田洵太を探しに数人と一緒に行き、今までDNA検査の結果を見ていないことに気づいた。

  彼女は携帯を取り出して確認しようとしたが、頭を下げた途端に目の前が暗くなり、気を失ってしまった。

  幸い藤本凜人が早くに気づき、彼女の腰を抱きかかえた。そうでなければ、寺田凛奈はそのまま地面に倒れていたかもしれない!

  「凛奈!」

  「凛奈!」

  二人が驚いて叫んだ後、藤本凜人はすぐに寺田凛奈を抱き上げ、寺田真治は運転手から車を奪って運転席に座った。

  藤本凜人が車に乗り込むと、寺田真治はアクセルを踏み込み、車は猛スピードで病院に向かった。通常なら20分かかる道のりを、

  寺田真治は5分で到着した。

  それでも、道中、藤本凜人は「急いで」と催促し続けた。

  病院に到着すると、車が完全に止まる前に、藤本凜人が電話で呼んでいた医師たちが既に入口で待ち構えていた。

  寺田凛奈が藤本凜人に抱かれて車から降り、緊急用のストレッチャーに乗せられ、手術室に向かう途中で、みんなは彼女の赤いドレスが既に血で染まっていることに気づいた!

  これは...怪我をしているのか?!

  藤本凜人と寺田真治は非常に心配し、さらに怒りを込めて医師に叫んだ。「急いで、彼女の怪我を確認してください!」

  そのとき、寺田洵太を看護していたリリが近づいてきた。彼女は白衣を着て、直接群衆の中に割り込んだ。「どいてください、私のボスを診せてください!」

  藤本凜人が手を振ると、他の人々は道を空けた。

  リリは寺田凛奈の前に立ち、体の血痕を見てさらに緊張した。「どうしてこんなに血を流しているの?急いで、手術室へ!」

  そして、大勢の人々が手術室に入っていった。

  5分後。

  リリが手術室から出てきた瞬間、藤本凜人と寺田真治の二人がサッと立ち上がり、彼女の前に駆け寄った。「どうなの?」

  リリは口角をピクリと動かし、どう切り出せばいいか分からないようだった。

  藤本凜人はさらに焦った。「どこを怪我したんだ?何をぼんやりしているんだ?早く人を救ってくれ!」