アントワーヌの額から冷や汗が流れた。
ある瞬間、腕の痛みが極限に達したとき、彼は突然何かを理解した。
彼は寺田洵太の腕を三回で折ったが、それは寺田洵太が三回攻撃されて腕が折れたことを意味していた。しかし、この女は明らかに彼を何度も攻撃し、痛みを倍増させようとしていた!!
彼は怒りで焦り、大声で叫んだ。「辻本、ショウオン、助けに来てくれ!交代だ!」
彼の体格は大きかったが、体が小さくて敏捷な寺田凛奈に完全に抑え込まれていた!
辻本凌也とショウオンはこの時、自分たちのことで精一杯だった。彼らはすでに藤本凜人と007号に拘束されていたからだ。
藤本凜人の攻撃は軽く、明らかにショウオンを拘束しているだけで、強い攻撃はしていなかった。
007号は少し困惑しながら、辻本凌也と激しく戦っていた。辻本凌也は流石に高手だったが、007号も侮れない相手で、短時間では勝負がつかなかった。
「バン!」
「カチッ!」
25回目の攻撃が彼の腕の同じ位置に当たったとき、アントワーヌの腕の骨がついに折れた!突然襲ってきた痛みで、彼の体が一瞬揺らいだ。
そして、寺田凛奈はようやく十分に攻撃したと思ったのか、飛び上がって彼の頭部を蹴った!
彼はただ頭がガンと鳴り、全体が揺れたのを感じた。そして寺田凛奈は再び一発のパンチを、彼のもう一方の腕に強く打ち込んだ!
「カチッ!」
彼の腕の骨が再び音を立てて折れた!
アントワーヌはこの瞬間、ついに確信した!
寺田凛奈は一発で彼を倒せないのではなく、彼女はさっきから彼を拷問していたのだ!
アントワーヌは叫び声を上げ、怒りに任せて腕を振り回しながら寺田凛奈に突っ込んでいった。たとえ300キロの体重でも、寺田凛奈を押しつぶせるはずだ!
しかし彼が寺田凛奈の前に到達する前に、寺田凛奈はすでに再び攻撃を仕掛け、彼の下腿を強く蹴った!
「カチッ!」
「ドン!」
アントワーヌの足がくずれ、全身がリングに倒れ込んだ!
すぐさま、寺田凛奈は片手で彼の片腕をつかみ、強く後ろにねじって引っ張った!
カチッ!