第411章 血の借りは血で返す!

リリの仕事は早くて、効率が高い。

  寺田凛奈はそう思いながら、自分のメールボックスを開こうとしたところ、ドアの外から急に激しいノックの音が聞こえてきた。

  寺田凛奈は一瞬驚いた。

  藤本建吾はベッドから飛び降りて、走ってドアを開けると、寺田真治が外に立っていた。

  藤本建吾は疑問に思って尋ねた。「おじさん、どうしたの?」

  寺田真治は知っていた。寺田凛奈は寝るのが大好きで、毎日12時間は寝なければならない。でも、まだ朝7時なのに、どうして寺田凛奈を起こしに来たのだろう?

  寺田真治は尋ねた。「お母さんは起きてる? 起こしてもらえる? 彼女に重要な話があるんだ。」

  寺田凛奈も事の重大さを察し、すでに素早く服を着て、近づいてきた。「お兄さん、どうしたの?」

  寺田真治は彼女を見て、やっと眉をひそめて尋ねた。「寺田洵太が見当たらないんだ。何か仕事を頼んだりしたか?」

  寺田凛奈の心が沈んだ。

  やっと寺田真治が朝早くから彼女を起こしに来た理由がわかった。

  彼女は表情を引き締めて言った。「私は何も頼んでいないわ。でも、昨夜彼は武術場に行ったわ。」

  そう言いながら、彼女は携帯電話を取り出し、寺田洵太が昨夜11時過ぎに送ってきた2つのメッセージを見たが、それらのメッセージからは何も読み取れなかった。

  彼女は眉をひそめた。「どこかで休んでいるんじゃないかしら?」

  「ありえない。」

  寺田真治は断言した。「寺田洵太は特殊な立場にいる。彼のことを知っている人は少なく、接触するのは主に寺田家の闇の勢力だ。危険な仕事ばかりしているから、毎日決まった時間に私に行程を報告することになっている。今朝、彼からの報告がなかったので何かあったと思い、闇の勢力の人々に連絡を取ったら、寺田洵太が昨夜から連絡が取れなくなっていたことがわかったんだ!」

  昨夜……

  寺田凛奈がさらに質問しようとしたとき、寺田真治は階段を下り始めた。「今から武術場に行って調べる。」

  寺田凛奈は躊躇せず、そばに掛けてあった野球帽を頭にかぶり、マスクも取って彼の後を追って階下に降りた。