素直な孫娘の願いを断れるだろうか?
答えはもちろん断れない。
寺田亮は口をゆがめ、寺田真治を一瞥した。
藤本凜人が外にいるという情報は、内管理人が直接入ってきて密かに彼に報告したもので、寺田芽と藤本建吾は全く知らなかった。
夕食の時でさえ、寺田芽は好奇心を持って入り口の方を見て、こう言った。「パパ、どうしてまだ来ないの?」
寺田亮はその時冷ややかに口を開いた。「おそらく仕事で忙しいんだろう」
寺田芽はその時少し不機嫌そうに、「ふーん」と言った。
寺田亮はこの機会を利用して彼女に悪印象を植え付けようとした。「こういう忙しくなると子供のことを顧みない親は、最も無責任だ。芽ちゃんは今後パパのことを好きにならないほうがいいよ、いいかな?」
寺田芽はこの言葉を聞いて、目を大きく見開いた。
そして彼女は寺田亮を見て反論した。「おじいちゃん、そんなことできないよ」
寺田亮は非常に curious だった。「どうして?」
寺田芽はため息をついた。「ママは小さい頃からずっと寝るのに忙しくて、もっと無責任だよ。パパは少なくとも毎日私と過ごす時間が、ママの倍以上あるもん!」
寺田亮:!!
彼は寺田凛奈と2人の子供たちの関係性を全く見たことがなく、まさか娘まで巻き込んでしまうとは思わなかった。
その時の彼はただ無理やり話題を変えるしかなかった。「うーん、私が今言ったのはただの試験だよ。芽ちゃんがこんなに賢くて、おじいちゃんの試験に合格するなんて思わなかった」
寺田芽はすぐに顔を上げて笑い、ブドウのような大きな目で藤本建吾を見た。兄ちゃん、見た?おじいちゃんはパパのこと好きじゃなくて、パパの悪口言おうとしたけど、私がすごいでしょ!全部言い返しちゃった〜
藤本建吾:「……」
彼は黙ってため息をついた。芽が家に帰ってきてから、どうして暴君とこの噂では非常に厳しいおじいちゃんが、こんなに幼稚になってしまったのだろう?
寺田亮はずっと芽に隠し続け、彼女に告げなかった。
そして少しも罪悪感を感じなかった。藤本凜人が密かに彼女に金主のおじいちゃんのことを好きにならないようにさせたんだから!