第455章 小さい方に会いに行こう~

これを聞いて、藤本奥様は大きく息をついた。

藤本柊花が去った後、藤本奥様の執事が尋ねた。「奥様、お嬢様は大丈夫だと思われますか?私には、あまり真剣に取り組んでいるようには見えませんが。」

藤本奥様は頭を下げた。「そんなはずはないわ。幼い頃から、この家で柊花は凜人と最も仲が良かったのよ。口には出さないけれど、帰国するたびに必ず建吾にたくさんのものを持ってくるでしょう?彼女が無関心そうに振る舞えば振る舞うほど、それだけ気にかけているということなのよ。安心して、彼女は兄を損させたりしないわ。」

執事はほっとした。「ご主人があの方をそれほど大切にされているのも、本当に頭が痛いですね。」

藤本奥様はため息をついた。「そうね。最初は彼が好きだというので、私も好きにさせていたのよ。でも見てごらんなさい。今では何がなんだかわからなくなって、建吾を連れて寺田家に住んでしまうなんて!人に言えば笑い者になってしまうわ!」