第455章 小さい方に会いに行こう~

これを聞いて、藤本奥様は大きく息をついた。

藤本柊花が去った後、藤本奥様の執事が尋ねた。「奥様、お嬢様は大丈夫だと思われますか?私には、あまり真剣に取り組んでいるようには見えませんが。」

藤本奥様は頭を下げた。「そんなはずはないわ。幼い頃から、この家で柊花は凜人と最も仲が良かったのよ。口には出さないけれど、帰国するたびに必ず建吾にたくさんのものを持ってくるでしょう?彼女が無関心そうに振る舞えば振る舞うほど、それだけ気にかけているということなのよ。安心して、彼女は兄を損させたりしないわ。」

執事はほっとした。「ご主人があの方をそれほど大切にされているのも、本当に頭が痛いですね。」

藤本奥様はため息をついた。「そうね。最初は彼が好きだというので、私も好きにさせていたのよ。でも見てごらんなさい。今では何がなんだかわからなくなって、建吾を連れて寺田家に住んでしまうなんて!人に言えば笑い者になってしまうわ!」

執事は何度もうなずいた。

藤本奥様は口を開いた。「柊花に先陣を切らせてみましょう。」

しかし執事は思わず口を挟んだ。「敵に寝返るのではないかと心配はされませんか?幼い頃から、ご主人を最も支持していたのもお嬢様でしたから。」

藤本凜人が小さい頃は、何をするにも規則通りにしていた。

たまに反抗的になっても、藤本柊花はいつも彼を助けていた。

4歳の時、サチマというジャンクフードを食べたいと言い出したことがあった。糖分と油分が高いので、藤本奥様と老爺は反対した。

家族全員が老爺と奥様に逆らえない中、藤本柊花だけが密かに彼に食べさせてあげた。

藤本家唯一の女の子として、藤本柊花は家族から非常に可愛がられていた。

大きくなるにつれ、彼女はますます言うことを聞かなくなった。藤本凜人は彼女に話すときいつも叱っていたが、実際みんな二人の仲が良いことを知っていた。

藤本奥様は笑った。「他のことなら、凜人が好きなものを柊花は絶対に支持するでしょう!でも今回は違うわ。柊花は完璧主義者よ。彼女の心の中で、建吾を甥と認めたなら、建吾を産んだ女性こそが彼女が認める義姉なのよ。」

使用人はすぐにうなずき、笑った。「やはり奥様は賢明ですね!」

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翌日。

寺田家のリビングで。