第482章 寺田凛奈はQだった!

寺田おじいさんと他の人々は一瞬驚き、そして信じられない様子で寺田凛奈を見つめた。

誰かが唾を飲み込んで言った。「あ、あなたはQの居場所を知っているの?」

寺田凛奈は何も言わず、ドアを開けて部屋に入った。

寺田真治は静かに座って彼女を待っていた。彼の様子を見ると、全く焦っている様子はなく、すべてを把握しているかのような表情だった。

自分が来たときには、彼が憔悴した姿を見ることになると思っていたが、まさかこんなに落ち着いているとは。寺田凛奈は眉を上げた。

寺田真治は笑って言った。「来たか?」

「うん。」

寺田凛奈は彼の隣に立ち、「私が来ることをどうして知っていたの?」と尋ねた。

寺田真治は口を開いた。「あの時、秋田七恵が甥を会社に入れるよう頼んできた時から、お前が何か裏で手を打っているはずだと分かっていた。さあ、どうするつもりだ?」

寺田凛奈は「……」

彼女は寺田真治の椅子を軽く蹴り、どいてくれるよう合図した。寺田真治が立ち上がり、寺田凛奈が座ると、好奇心を持って尋ねた。「もし私に裏の手がなかったらどうするつもりだったの?相手は自分がQだと言っているのよ!」

寺田真治は彼女の横に立ち、笑って言った。「会社にこれだけ長くいて、ネットワークだけで寺田グループの命運を左右できると思っているのか?」

寺田凛奈は彼を見上げて「え?」

寺田真治は彼女に教えるように諭した。「何事も自分の手の内に収めておかなければならない。寺田グループに世界最高峰のハッカーがいないのなら、ネットワークを主力にしてはいけないんだ。たとえ会社のネットワークが本当に切断されても、影響を受けるのは一部だけで、会社全体の運営には影響しない。株価については...もちろん私なりの対策がある。」

寺田凛奈は納得して、寺田真治に親指を立てた。「すごい。」

寺田真治は片手で机を支え、もう片手で椅子を掴み、寺田凛奈の後ろに立って、彼女がパソコンを起動するのを見ながら尋ねた。「お前はQを知っているのか?」

寺田凛奈は「……うん、まあ知っているかな。」

寺田真治は思わず口を開いた。「もしその人が信頼できるなら、寺田グループのネットワークセキュリティアドバイザーとして外部委託できないだろうか。」