寺田凛奈は笑った。「ネット?」
「うん」石山博義は口を開いた。「でも、一部の人は被害者を非難して、子供を誘拐した罪は厳罰に処すべきだ、死んで当然だと言っている。母親として、木田柚凪の行動は間違っていない、裁判所は情状酌量すべきだと!」
当時、堀口泉弥は子供を奪おうとして、ネット上で大騒ぎになった。
今度は逆に批判を受けることになった。
たとえネットユーザーが真相を知らず、本当に木田柚凪が彼女を殺したと思っていても、死んで当然だと思うだろう。
相手側のこのネット世論工作はあまり上手くいっていないな!
寺田凛奈は目を伏せて笑った。「うん、じゃあ真相を公開しましょう!」
「いいね」
寺田凛奈が電話を切ろうとした時、相手が突然また口を開いた。「あの...」
寺田凛奈は一瞬止まった。「うん?」