第489章 ある秘密!

寺田凛奈はその言葉を聞くと、急いでドアを開けて中に入った。

リリは老いぼれの腕をマッサージしていた。寺田雅美に毒を盛られてから、彼の体調は良くならず、精神状態も回復していなかった。

今の彼は顔色が悪く、体の火傷跡は更に恐ろしい状態だった。

リリは慰めるように言った。「社長がすぐ来ますから、落ち着いて...」

しかし老いぼれは手足をばたつかせながら叫び続けた。「詩乃の娘に会いたい!早く呼んでこい!遅れたら終わりだ!彼女に秘密を話さなければ...」

リリはもう抑えきれなくなりそうだった。そのとき、寺田凛奈が入ってきた。ドアの開く音を聞いて振り返ったリリは、やっと安堵の息をついた。

「やっと来てくださいました!」

リリは立ち上がり、少し恨みがましい口調で言った。「もう少し遅かったら、老いぼれは本当に発狂するところでした!」