第498話 入江桂奈!

「うぅ、うぅぅ……」

寺田治は頭に黒い袋を被せられ、口も塞がれたまま、四人に捕まれて一つの部屋に連れ込まれた。

彼は恐怖に目を見開き、話そうとしたが、何も言えず、ただ「うぅ」という声しか出せなかった。両側の四人のボディーガードは足取りが安定しており、一目で武術の心得があることが分かった。

もう一人が彼の細い腕を掴んでいて、少し力を入れただけで折れてしまいそうだった!

寺田治は心の中で恐怖に震え、椅子に押し付けられ、ロープでしっかりと縛られた後、やっと口の中の物を取り除かれた。

寺田治は大きく息を吐いた。

四人の屈強なボディーガードは彼を見つめていた。この痩せこけた日本人は本当に弱々しく、先ほど連れてくる途中も、体が震えっぱなしだった。

そんな様子を見ていると、本当に軽蔑したくなった。