第501章 嫉妬~

寺田凛奈がこれほど敏感で、そんな言葉を直接言い出すとは思わなかったようで、臼井陽一は一瞬戸惑い、反射的に周りを見回した。

「大丈夫よ」寺田凛奈が口を開いた。「石山たちには連絡していないわ」

臼井陽一はその言葉を聞いてさらに戸惑い、やっと反応して苦笑いを浮かべた。「どこまで分かったんだ?」

寺田凛奈は椅子に寄りかかり、「母が京都を離れた後、なぜ揚城を選んだのか分からなかったけど、後になって臼井家がその時すでに揚城で成功していたことを知ったの。だから、母は揚城に行って臼井家と協力を求めた、あるいは庇護を求めたのではないかと推測できるわ」

臼井陽一は頷いた。「彼女は優秀だった。庇護なんて必要なかった。両家は協力関係だったんだ」

寺田凛奈は臼井陽一が母をこれほど尊重していることに驚いた。