第500章 臼井先生、入江桂奈を知っている!

「ありがとう、その一億円。うちのことりの慰謝料として受け取っておくわ!」

寺田凛奈の言葉が落ちると、向こう側の入江桂奈は何かに気付いたようで、慌てて叫んだ。「彼はQじゃないの?」

寺田凛奈はその質問に答えなかった。

しかし入江桂奈はすでに理解したようで、すぐに低い声で罵った。「shit!お前...」

言葉が終わる前に、彼の音声通話は切断された!

寺田凛奈は眉をひそめた。

入江桂奈は主人なのに、誰が彼の言葉が終わる前に通話を切断する勇気があるのだろう?

彼女が躊躇している間、寺田治は立ち上がり、恐る恐る寺田凛奈を見つめ、瞬きをしながら言った。「あの、姉さん、その一億円...本当に慰謝料としてもらえるの?」

幼い頃から寺田真治に毎月の生活費を制限されていた寺田治にとって、人生で見た最大の預金額は、藤本悠佑のところで見た数千万円だった。これが初めて見る億単位の資金だった!