小泉佐友理は元々寺田凛奈に迷惑をかけるつもりはなかった。
以前は血縁関係があると誤解していたが、今はそうではないと分かった。それでも凛奈が以前と同じように接してくれるだけでも十分ありがたいことだった。
彼女は空気が読めない人間になりたくなかった。
それに、漢方医学と西洋医学の対決はもうすぐ始まる。少し辛い思いをしても、数日のことだから、佐友理は何も言うつもりはなかった。
しかし、まさか寺田治がこのタイミングで口を挟むとは思わなかった。
しかも、寺田治は彼女の携帯を奪うと、金髪頭の彼はパソコンに向かってペラペラと全部話してしまった。「お姉さん、この妹さんはあなたが面倒見てるんじゃないの?知ってる?彼女はペット病院に配属されて、そこでいじめられてるの!それに猫アレルギーがあって、今顔中に発疹が出てるのよ!早く助けに来てあげて!このままじゃ、妹さんがいじめ殺されちゃう!」