第518章 正体を現す!

今回の漢方医学と西洋医学の対決は、加納さんが大講堂で行うことにした。

その目的は学校の学生たちを刺激することだった。結局、学生たちはまだ社会に出ていない、最も情熱的な集団なのだから。

寺田凛奈が学校の門に着くと、すでに記者たちが大講堂に向かって行くのが見えた。

彼女は眉をひそめ、学校がなぜ対応しないのか理解できなかった。そのとき、記者たちの声が聞こえてきた:

「ふん、私たちはAntiの職務停止と調査を医科大学に強く要求したのに、医科大学は同意せず、彼女を守っている。しかも、今日のは試合ではなく討論会だと言い、医学界の各界人士を招待するなんて!彼らにAntiを擁護する根拠があるというの?」

「そうよ、私も不思議に思う。医科大学は何か切り札でも持っているみたいね。本当に擁護できるとは思えないわ!」

二人は話しながら学校に入っていった。

寺田凛奈はその場に立ったまま、眉をひそめていた。

しばらくして、彼女は突然口元を緩めた。

正直なところ、海外の大学からも教授などの職務を依頼されたことがあったが、すべて断っていた。医科大学で客員教授を務めているのも、加納さんの顔を立ててのことだった。

彼女は京都医科大学という学校に対して、実際はあまり感情を持っていなかった。

結局のところ、この学校にも様々な問題が存在していた。例えば前回の大学院入試の時のこと、そして秋田信三のことなど……

しかし、この瞬間、彼女は突然学校にも愛着を感じ始めた。

京都医科大学のこの度量だけでも、海外の人々には及ばないものだった!

ネット上で漢方医学を批判する人々のコメントを思い出し、寺田凛奈は目を細めながら、大講堂へと歩き出した。

彼女の到着は少し遅かった。この時、大講堂の中はすでに三つのグループに分かれていた。

一つのグループは西洋医学を断固として支持する派で、堀口佳暉がリーダーだった。

もう一つのグループは漢方医学を支持する派で、高岡さんと倉田幸歩がリーダーで、学校の漢方医学を学ぶ学生たちも加わっていた。

そして最後のグループは中立派で、加納さんがリーダーで、秋田信三、小泉佐友理、そして寺田凛奈を心配する渡辺光春もこちら側にいた。

堀口佳暉は高岡さんと医学用語を使って互いを非難し合い、堀口佳暉は数人の患者の症例を挙げて、高岡さんに対応を求めた。