メッセージを送信した後、入江桂奈は携帯を見ていないようで、すぐには返信がなかった。
寺田凛奈は携帯をしばらく見つめた後、脇に放り投げ、シャワーを浴びに行った。
寺田芽は藤本建吾と顔を寄せ合い、そっくりな小さな顔に眉をひそめながら、不満そうに言った。「お兄ちゃん、おじいちゃんがまたママに彼氏を紹介しようとしてるの!はぁ!」
藤本建吾が大丈夫だよと慰めようとした時、寺田芽が羨ましそうな顔で口を開いた。「パパもいつか私にたくさんのお兄さんを紹介してくれないかなぁ?」
藤本建吾:?
彼は寺田芽がパパとママの別れを心配しているのかと思っていたのに、結局ママを羨ましがっていただけだった?!本当に救いようがない!
藤本建吾は口角を引きつらせながら、バスルームの方を見た。
そして、手に持っていた本を置き、ゆっくりと部屋を出て行った。