藤本凜人は目を細めて、直接電話をかけて尋ねた。「具体的にどういうことだ?詳しく説明してくれ」
特殊部門に新しい同僚が入ったということは、彼には分からないはずだから、具体的な状況を聞く必要があった。
藤本柊花は矢継ぎ早に事の経緯を説明した。
藤本凜人は一瞬黙り込んでから、口を開いた。「分かった」
藤本柊花:?
彼女は焦った。「何が分かったの?この入江冬月はろくな人間じゃないわ。お茶目ぶってるけど、部署で義姉さんをあからさまに陰で圧迫してて、本当に腹が立つわ!早くYに連絡してよ。あの人、あなたの言うことなら一番よく聞くでしょう?入江冬月をブラックリストに入れてもらって、彼女がYの名声を利用して威張り散らすのを止めさせて!!」
藤本凜人:「ああ、切るぞ」
藤本柊花:??
切れた電話を見つめながら、彼女は藤本凜人のことが心配でたまらなかった。
義姉さんがこんなに怒っているのに、彼は全然焦っている様子もないし、しかもこの件は本当に難しい。
結局、Yは藤本グループの社員だし、正直言って、藤本凜人でさえ人の交友関係に干渉する権利はないだろう?
特殊部門はほとんどが男性で、何事もはっきり言えば皆大目に見てくれる。
そのため、今は雰囲気も和やかになっていた。
「入江さん、YとそんなにLINEで親しくしてるんですね!本当に彼のLINEを持ってるなんて、しかもほぼ即レスですよ!」
入江冬月は俯いて笑った。「まあまあですね。でも昨日は全然返信がなくて、夜に怒っちゃったから、今日は気を付けてくれてるんです」
寺田凛奈:???
ふん!
あのクソ男が昨日何通かメッセージを送ってきたけど、無視したら、入江冬月をなだめに行ったってこと?
たとえ入江冬月がYを知らないかもしれないけど、それでも藤本凜人を無視したい!
寺田凛奈は深いため息をついた。
そのとき、千葉が彼女の前に来て、直接敬礼した。「寺田さん、すみませんでした!さっきは軽率でした!事情も分からないのに、あんなことを言って。まだ怒ってると思いますが、よければ僕を殴って気を晴らしてください!」
寺田凛奈:「……」
彼女は口角を引き攣らせながら、千葉を見て、面倒くさそうに言った。「いいです」
特殊部門を手伝うのは千葉個人のためじゃないから、この人が何を言おうと関係ない。