第554章 彼女を馬鹿にしやがって?

目の前のムヘカルは顔色が良く、監視されている様子は全くなく、囚人服さえ着ていなかった。逮捕された時の服装のままだった。

尋問室で彼は、まるでここが牢獄ではなく自分の家であるかのように、リラックスした姿勢で座っていた。

これは最初に逮捕された時のムヘカルの様子とは全く異なり、まるで将来何も起こらないと確信しているかのようだった。

寺田凛奈の質問を聞いて、ムヘカルは笑った。「凛奈、私は今とても元気だよ。木田柚凪に伝言を頼む。もう数日すれば、彼女に会いに行けるんだ!堂々と会いに行けるんだ!」

寺田凛奈は目を細めた。「なぜそんなことが言えるんですか?神秘組織の人間を日本に密入国させた件には、何か隠された事情があるんですか?」

ムヘカルは落ち着いていた。「凛奈、真相は今は話せないが、いずれ分かることだ。焦らなくていい、私は何も問題ない!」