第587章 修復中!!

「お前たち!本当に図々しいな!」

倉田隊長は、寺田凛奈が監察部の全員の前でこんな乱暴な方法で問題を解決するとは思いもよらなかった。

彼女は将来の昇進のことなど全く気にしていないのだろうか?

ひどすぎる!

倉田隊長は監察部の人々を見つめ、石山博義と寺田凛奈を指差しながら言った。「同志たち、見ましたか?石山はこんなやり方をするんです!ルールを全く守らない!それに、彼らのこの行為は横領です!遺伝子薬剤の患者から薬剤を抽出するなんて、神秘組織の連中と何が違うんですか!」

倉田隊長は憤慨して非難した。

監察部の人々もベッドを見ながら尋ねた。「どうしましょう?注入した薬剤を抜き取ることはできますか?」

同行していた医師は口角を引きつらせながら答えた。「それは無理です。」

その医師は首を伸ばしてベッドを覗き込んだ後、続けて言った。「しかし、相馬さんの容態は深刻すぎます。こめかみを撃たれて、生存は不可能に近いでしょう。」

「仕方ない、とりあえず連れて帰って、ゆっくり調査しましょう!」

監察部の人々も途方に暮れ、石山博義、寺田凛奈、相馬歩人に向かって言った。「三人とも、調査にご協力をお願いします!」

相馬歩人はベッドを見つめ、何か言おうとした時、石山博義が突然口を開いた。「相馬さんはここに横たわっているんだ。歩人をここに残させてくれないか。私たちが行く。」

相馬さんは職務中の負傷で、部署の皆も心を痛めていた。その言葉を聞いて、一同は少し考えた後、相馬歩人に言った。「では、あなたは病院に残って、お父さんの様子を見ていてください。ただし、病院から離れてはいけません。また、いつでも呼び出しに応じられるようにしておいてください!」

相馬歩人の胸に感謝の念が込み上げてきた。

彼は石山博義を見つめ、先ほど倉田隊長が彼は情が薄いと言っていたことを思い出した。康之が彼のためにムヘカルを懲らしめたことで、拘束されてしまったことについて...

しかし実は、石山は何よりもよく分かっていたのだ。

相馬歩人は、それまで石山博義がムヘカルを庇い続けていたことで抱いていた恨みの感情が、この瞬間に消え去った。

彼は目を潤ませながら頷いた。「ありがとうございます、石山さん!」