一言で、倉田健祐は口を閉ざした。
志村は頷いた。「そうだ。」
彼は藤本凜人と目を合わせた。
倉田健祐は慎重に考えてから、はっとした。「そうだ、これは偶然すぎる!相手は寺田健亮のことを無視していたのに、子供の存在が明らかになった途端、人を殺した!以前なら、その助産師が寺田健亮によって国外に逃がされたのか、それとも神秘組織によるものなのか疑問に思っていたけど、今はほぼ確実に言える。神秘組織の仕業だ!だから、入江和夜少年の身分には、確かに問題があるんだ!」
彼がようやく賢明な発言をしたのを見て、志村は親指を立てた。
倉田健祐は「……」皮肉を感じた。
藤本凜人は何も言わず、そのまま階段を上がった。
二人は彼の後を追い、藤本凜人が口を開いた。「入江冬月の方は、その子供がいつ来るか聞いたか?」