第637話 良い知らせ~~

彼女の言葉を聞いて、藤本凜人は突然口を開いた。「最近、和夜が本当に僕たちの息子のように思えてきたよ」

寺田凛奈は一瞬驚いて「どういうこと?」

藤本凜人は急に笑った。「昨夜早く寝たのに、今まで起きてこない。いつも寝足りない様子で、君の遺伝じゃないのか?」

「……」

寺田凛奈は口角を引きつらせた。

二階の寝室で。

入江和夜は実は既に目が覚めていて、カーテンの後ろの窓際に隠れて下を見ていた。

芽が藤本凜人に抱き上げられた瞬間、彼の鼻が酸っぱくなり、一瞬、芽を投げ飛ばしたい衝動に駆られた。

でも、これがネットで知り合った友達の寺田芽と藤本建吾かもしれないと思うと、その衝動を必死に抑えた。

寺田芽と藤本建吾は、あの女が産んだ子供なのだ。

四人で一緒にいるのが本当の家族で、入江和夜は余計者だ。