第632話 真相!

三原お母さんはその言葉を聞いて怒りが収まらず、胸を押さえて言葉が出なかった。

三原伶は横で目を赤くして泣いているだけだった。

三原お父さんが不在で、家の二人の女主人は明らかに気勢を削がれていた。

寺田凛奈が一歩前に出ようとした時、横にいた三原璃が急に前に出て、大きな声で言い放った。「お義母様、それはあんまりですよ!何が婚外恋愛じゃないって?あの女のお腹の子は蒼樹のじゃないとでも?蒼樹は結婚中に、あの女と関係を持たなかったとでも?」

谷本奥様は一瞬言葉に詰まった。

三原璃は再び口を開いた。「妹は子供を産んでいませんが、女性は子供を産む道具なんですか?そもそも谷本家が私たちの家に嫁入りを求めたのは、ただ子供を産ませるためだけだったんですか?そうなら、代理母を何人か探せばよかったじゃないですか?私の妹に何を求めるんです?それに、妹が子供を産めないなんて、どこの医学的根拠があるんですか?これは完全な詭弁です。もし医療報告書を見せていただけないなら、名誉毀損で訴えることもできますよ!」

三原璃は気迫に満ちていて、まるで雛を守る母鶏のように、三原お母さんと三原伶の前に立ちはだかった。

谷本奥様はこの三原家の長女を少し恐れているようで、思わず一歩後ずさりしながら言った。「どうあれ、とにかく離婚するのよ!」

「離婚はいいでしょう。でも妹の持ち物は全部返してもらいます。さもないと、私たち三原家だって黙ってはいませんよ!」

三原璃はそう怒鳴った後、三原伶の方を向いて直接言った。「夫が浮気したのに、ここで泣いていて何になるの?今どんな時代だと思ってるの?自分で立ち上がれないの?三原伶、言っておくわ。この離婚は絶対にするべきよ。離婚しないで、この男を残しておいて、また私生児を連れて帰ってくるのを待つつもり?」

三原伶は泣きながら頷いた。「お姉さま、分かりました。」

彼女は本当に心を深く傷つけられていた。

結婚した時、みんなは彼女が幸せだと言った。谷本家に嫁いで、谷本家と藤本家の関係があんなに親密なのだから、これからは良い日々が来ると。

でも誰が谷本蒼樹がこんなに当てにならない人間だとわかっただろう。

谷本奥様は冷笑した。「三原璃、何が言いたいの?うちは立派な家柄よ。どんな女でも受け入れるような家じゃないわ!」