寺田凛奈は眉を上げ、三原伶が拳を握りしめ、不機嫌な声で尋ねるのを見た。「何しに来たの?」
春姫が近づいてきて、ため息をつきながら言った。「もちろん、プレゼントを持ってきたのよ」
そう言って、手に持っていたプレゼントの箱を差し出した。「これは蒼樹さんが私に買ってくれたバッグなの。あなたに似合いそうだから、あげるわ……」
谷本蒼樹が彼女に買ったバッグ……
結婚して三年、谷本蒼樹は自分には一度もプレゼントを買ってくれなかったのに!
三原伶はますます怒りを覚え、胸が痛くなってきた。
彼女の三年間の結婚生活は、結局何だったのか?!
彼女は胸に手を当て、一歩後ずさりした。
三原璃が彼女の前に立ちはだかった。「申し訳ないけど、ここであなたは歓迎されていないわ」
春姫はため息をついた。「璃姉さん、私たち昔は親友同士だったでしょう。この界隈の人間なんてこれっぽっちしかいないのに。離婚したからって、三原家は本当に谷本家と敵対するつもりなの?今日ここに誕生パーティーに来ている人たちも、私たち二つの家が敵対するのを見たくないはずよ!」