その紙切れはかなり古いもので、周りが擦り切れて端が出ていましたが、三原家によって大切に保管されていました。
紙はかなり古びており、少し黄ばんでいて、軽く引っ張っただけで破れてしまいそうでした。
寺田凛奈は少し黙り込んだ後、突然尋ねました。「この紙、私にいただけますか?」
三原璃は凛奈の表情を見て、事態が深刻であることを察知し、答えました。「はい、大丈夫です。実は、この紙の配合は既に記録してありますので、これは記念として保管していただけなんです。」
この紙は三原家にとって、特別な意味はありませんでした。
寺田凛奈は頷き、紙を慎重に折り目に沿って折り、自分のポケットに入れました。
顔を上げると、三原璃を見て、お礼を言いました。
三原璃は言いました。「私の方こそ感謝しています。ただ、この件は外部に漏らさないでいただけますか。」