第685章 誕生日パーティー!(4)

藤本凜人は相変わらず笑って言った。「会ったことはないかもしれませんが、少なくとも噂は聞いたことがあるでしょう!」

これは身分が低くないということを示している!

谷本奥様はさらに興奮して言った。「それなら、誰なのか聞かせてください……」

傍らの藤本奥様は谷本奥様の手を強く引っ張り、腕をつねり始めたが、谷本奥様は全く気にしなかった。

藤本奥様は怒りが込み上げ、この谷本奥様を追い出してしまいたかった!

実家からどうしてこんな愚かな甥の嫁が出てきたのか?

寺田凛奈を牽制するのは小手段に過ぎず、後で寺田凛奈を評価し、フォローすれば、面子も保てるはずだった。

しかし谷本奥様は断固としてこの縁談を壊すつもりだった。

藤本奥様は一時的に血の気が上がり、実家のために孫の嫁を牽制していたのに、実家の人々は何をしているのかと思った。

寺田凛奈が藤本家の最良の嫁候補であることはさておき、この縁談を台無しにしたら、藤本家でどんな面目が立つというのか?!

この瞬間、藤本奥様の心に突然失望が芽生えた。

長年、彼女は実家のために心を砕いてきた。

谷本家はとっくに没落していて、彼女がここにいなければ、藤本家の後ろについて恩恵を受けることもできず、とっくに名門の一軍から外されていただろう。

しかし今はどうだ?

実家のためにあれほど尽くしてきたのに、最後に何を得たというのか?!

藤本奥様は怒り心頭だった。

谷本奥様の口を止められず、藤本凜人を見るしかなかったが、同時に心の中で疑問に思った:

今日の孫は一体どうしたというのか?!

彼が寺田凛奈をどれほど大切にしているか、彼女はよく知っているのに、今日はどうして突然寺田家の面子を潰すようなことをするのか?

宴会場全体に小さな議論の声が広がった:

「まあ、藤本さんは寺田家との縁談を取りやめるつもりなのかしら?」

「でも、どうして寺田さんにあんなに丁寧なの!謝罪のためじゃないでしょう?」

「寺田さん、可哀想ね。まだ嫁いでもいないのに、もう他の人と寵愛を争わなければならないなんて……」