第684章 誕生日パーティー(3)

藤本凜人の言葉が出た瞬間、会場は静まり返った。

参加者たちは互いに顔を見合わせ、その目には様々な思惑が浮かんでいた。

藤本奥様でさえ呆然としていた。以前、入江和夜の母親について尋ねた時、藤本凜人はその女が現れたら必ず殺すと言い、母親は死んだと言っていたのだ。

それなのに今、どうして突然母親が出てきたのか?

藤本奥様は呆然とした。

彼女が寺田亮の前に現れ、大勢の前で私生児のことを持ち出し、寺田凛奈が婚前妊娠したと言ったのは、京都の上流婦人社会で寺田凛奈の評判を落とすためだった。寺田家と藤本凜人の寵愛を背景に、家で好き勝手させないようにするためだった!

結局、今では彼女は自分を全く眼中に入れていないのだから。

前回、谷本蒼樹の治療を頼んだ時も、この人は直接断ってきて、全く自分を相手にしなかった。