谷本奥様はその言葉を言い終えると、にこにこと寺田芽を見つめていた。
先ほど小泉佐友理からの贈り物は寺田治によって切り抜けられ、攻撃の的とはならなかったが、今度はおばあちゃんが現れた。
谷本奥様は相手の贈り物を見て、打ちのめす機会を待っていた!
彼女はその贈り物を見つめ、その視線は箱を焼き尽くすほど熱かった。
傍らの藤本凜人と寺田亮は目を細め、二人とも谷本奥様を一瞥したが、何も言わなかった。
二人とも寺田凛奈の身分が並々ならぬものであることを知っており、以前から知り合いも皆すごい人物だったが、みんな寺田凛奈の以前の境遇が厳しかったことを認めているようだった。
むしろ、みんな貧しい女性が継父に母親の残した唯一の財産を奪われた後、いかに苦労して生き延びたかという大きなドラマを想像していた。