第727章 Kingがいれば、怖くない

グループで質問をしたのは、グループのBearだった。

帝国同盟グループには12人がいて、king以外は全て動物の英語名で表されていた。以前はグループのメンバーは互いに知り合いではなく、kingを含め、他人のプライバシーを探ることは許されていなかったため、kingでさえ他の11人が誰なのか分からなかった。

しかし今、藤本凜人は確信した。

このクマは野村智弘だと。

彼はソファに座り、長い脚を組み、骨ばった指でソファの肘掛けを叩きながら、細長い目を細めて、瞳に暗い光が走った。

彼のその様子を見て、倉田健祐は心の中で野村智弘に同情せずにはいられなかった。

これは、彼らの社長がまた誰かを罠にかけようとしているということだ！

今回野村智弘がどんな目に遭わされるのか、それだけが分からない。

彼が考えているとき、藤本凜人は突然口角を上げ、グループにメッセージを送った：【持っています。】

kingとして、各国の大手企業の株式を保有しているのは、極めて普通のことだった。

グループのメンバーは誰も疑いを持たなかった。

Bearの態度はすぐに恭しくなった：【個人的にお話させていただきたいのですが。】

藤本凜人は悠然とそこに座り、表情を変えなかった。

この時、倉田健祐が尋ねた：「社長、なぜ彼に株式を売るんですか？彼に売ったら、藤本家のコントロールが効かなくなるんじゃないですか？」

倉田健祐は自分の社長のことをよく知っていた。

藤本凜人は名義で51パーセントの株式を持ち、非常に強力に会社の方向性を支配していた。

しかし実際には、志村名義でさらに4パーセント、そして藤本凜人の別人格で藤本家にさらに5パーセントの株式を支配していた。

社長は株式をしっかりと掌握しており、藤本修也に5パーセントを与えた後、表面上は46パーセントになったように見えるが、実際には藤本家全体は依然として彼の一言で動いていた。

藤本凜人はこの言葉を聞いて、倉田健祐を一瞥し、笑って言った：「もしこの5パーセントの株式に高値をつけてくれるなら、売れないこともない。」

藤本家は藤本凜人が身分を隠すための一つの場所に過ぎず、藤本家のわずかな事業は、彼が実際に支配している財団と比べれば、まさに九牛の一毛だった。

倉田健祐：……

彼は理解した。