第751章 藤本柊花の「自己犠牲」

寺田凛奈が目を覚ましたとき、すでに翌日になっていた。

彼女が伸びをして、ゆっくりと起き上がると、藤本柊花と三つの小さな頭が彼女を見つめているのに気づいた。彼女を見ると、藤本柊花は大きくため息をつき、両手で顎を支えながら、ゆっくりと口を開いた。「お姉さん、やっと起きたのね」

寺田凛奈：？

彼女は眉を上げ、途中だった伸びをし終えてから尋ねた。「どうしたの？」

「外でイケメンの愛人を囲っているなんて、お姉さん、ひどすぎるわ！」

寺田凛奈：？

続いて藤本柊花の次の言葉が聞こえてきた。「誰を囲うにしても、私に言わないなんて！どんな場合でも、相談くらいさせてよ！それに...」

藤本柊花は非常に好奇心旺盛で、目を輝かせながら尋ねた。「その人、イケメン？お兄ちゃんと比べてどう？」

寺田凛奈：「...」

彼女は口角を引きつらせ、藤本柊花を無視して三人の子供たちを見た。子供たちは彼女が起きたのを見ると、すでに自然とソファに移動して、そこで遊び始めていた。

寺田凛奈は布団をめくり、パジャマ姿で起き上がり、あくびをしながらバスルームに向かった。

ドアに手をかけようとした時、藤本柊花に手を掴まれた。

振り返ると、いつもはふざけている藤本柊花がため息をついているのが見えた。「お姉さん、その...イケメンの愛人なんて、やめたほうがいいわ！」

彼女は目を伏せた。「実際、私にはわかるの。お姉さんとお兄ちゃんは相思相愛なのに、なぜ二人の間に他の人を入れる必要があるの？お兄ちゃんに謝りに行けば、もう事態は収まってるはずだし、きっと気にしないと思うわ」

寺田凛奈は藤本柊花がこれほど真面目な様子を見せるのは初めてだった。何か説明しようとした矢先、藤本柊花は先ほどの態度を一変させた。「でもそうなると、外で囲ってるイケメンが可哀想じゃない？私に譲ってくれない？」

寺田凛奈：？

彼女は口角を引きつらせ、藤本柊花を無視することにした。

この女、まともな時なんて一度もない！

バスルームに入ると、身支度を整え、その後出てきて子供たちと数時間遊んだ。午後になると、彼女は外出し、郊外の別荘へと向かった。

仕方がない。

彼女は先ほどメッセージを確認したところ、soloが京都に来て会いたいと言い、宿泊場所を探してほしいと頼んできた。