第755章 寺田凛奈はQだ！

北島梨恵佳は同時に密かに喜んでいた。彼女がこのように藤本凜人を刺激すれば、きっと彼は怒り出すはずだと！

そう考えていた時、藤本凜人は少し考えてから、寺田凛奈に向かって笑いながら言った。「彼女は僕より綺麗だよ。」

北島梨恵佳：？？

彼女は少し混乱し、同時に心の中に不安が芽生え始めた。その不安が一体どこから来るのか、よく分からなかった。

しかし、この二人は全く対立しているようには見えず、それもまた彼女には理解できなかった。

藤本凜人は一体なぜ寺田凛奈にこれほど寛容なのだろうか？

藤本修也は佐竹璃与が野村智弘と付き合っていたことを知った時、嫉妬していたのに！

彼女が困惑し不安に思っている間に、寺田凛奈と藤本凜人は既に応接室に入っていた。

二人が入るや否や、記者たちは彼らに対して猛烈な質問を浴びせ始めた：

「藤本さん、ネット上で流出した件について、どのようにお考えですか？ハッカーQは本当に寺田さんの郊外の別荘に住んでいるのですか？」

この質問に対して、藤本凜人は穏やかに微笑み、寺田凛奈を一瞥して、「そうですね」と答えた。

この言葉に、記者たちは一斉にざわめいた。

認めるつもりなのか？

もし寺田凛奈の不倫が明らかになれば、藤本凜人は必ず婚約を解消するはずだ！

「では、今回の記者会見は婚約解消を発表するためですか？」

大胆な記者がそう質問した。

藤本と寺田両家の縁組は、京都のビジネス界の変化に関わる重要な事項で、皆が非常に注目していた。

藤本奥様はこの言葉を聞いて、頷いた。

しかし次の瞬間、藤本凜人が口を開いた。「違います。」

一同：？

皆の困惑した表情の中、藤本凜人は説明した。「郊外の別荘で私の婚約者と会っていた人物は、確かに私本人です。」

この言葉に、記者たちの中から低い笑い声が漏れた。

藤本奥様も彼を怒りの目で見つめた。

北島梨恵佳は眉をひそめ、直接皮肉を込めて口を開いた。「つまり、三人で郊外の別荘で会っていたということですか？まさか、あなたと寺田さんが郊外の別荘でQをもてなしていて、たまたま誰かが侵入して、寺田さんと会っている人物が誰なのか確認しようとしただけ、なんてことはないでしょうね？それは本当に偶然すぎますよね！」

これは北島梨恵佳が思いつく唯一の理由だった。

下の記者たちはさらに笑い声を漏らし始めた。