第757章 V16の手がかりがついに見つかった！！

野村智弘は混血児だった。

アジア系に見えるものの、よく観察すると、彼の顔には異国情緒が漂っていた。太い眉と大きな目、深い二重まぶたが特徴的だった。

彼に見つめられると、とても情熱的な男性だと感じさせられた。

しかし佐竹璃与は、この男がどれほど冷血な人間であるかを知っていた。

彼女は冷静な表情を保ち、何も言わなかった。

野村智弘も口を開かず、瞳には複雑な光が宿っていた。

彼は突然尋ねた。「君は以前、金持ちと貧乏人は雰囲気で区別できると言っていたよね。だから当時、君が好きだったのは僕じゃなく、僕のお金だったんだろう！最初から僕が金持ちだと知っていたんだろう？」

このような質問が、二十年以上経って再び投げかけられた時、佐竹璃与はむしろ可笑しく感じた。

彼女は目を伏せ、説明する気も起きなかった。「あなたの好きなように解釈してください」

その言葉を聞くや否や、野村智弘は一歩前に出て、彼女の肩をつかんだ。

二十年以上、ほぼ三十年近く会っていなかった二人、お互いの初恋の相手である二人が、この時再会しても、雰囲気は特に気まずくなかった。

まるですべてが当時のままのようだった。

野村智弘は目を細めた。「あの時の同窓会で、僕は全部聞いていたんだ。まだ言い逃れするつもりか？」

聞いていた？

佐竹璃与は一瞬固まった。

この時、男性は彼女のすぐ近くにいて、佐竹璃与は彼の白い肌と背の高い体格を見ることができ、一瞬二十年以上前に戻ったような錯覚を覚えた。

当時、学校では彼は目立つ存在ではなかった。

普通の服を着て、控えめに振る舞っていた。

佐竹璃与が彼に気付いたのは、彼の追求のせいではなく、大学時代、彼が一年生の頃から図書館で勉強し続けているのを見かけたからだった。

彼は非常に自制心があった。

大学入試を終えたばかりの多くの学生は、大学に入学後しばらくリラックスする時期があったが、彼にはそれがなく、一年生の時から一生懸命勉強していた。

そして佐竹璃与はある時、彼が読んでいる本が自分には理解できないものだということに気付いた。

その瞬間、佐竹璃与の中で野村智弘のイメージは、高尚で神秘的なものになった。

その後、彼女を追いかける人は多かったが、誰一人として彼女の目に留まることはなかった。