第780話 彼女はレーサーじゃないのに!!

風がカーテンを揺らし、部屋の中で寺田凛奈の顔が明暗を行き来していた。

彼女は鉄の箱の中身を驚いて見つめ、一枚のメモを見つけた。そこにはモールス信号が書かれていた。

しかし、彼女はすでにモールス信号の非常用解読本を解読していたため、たった2分で内容を理解した:【スタッフ大学、資料室、004号。】

資料室、004号?

これはどういう意味だろう?

寺田凛奈は調べる時間もなく、鉄の箱をベッドの下に投げ入れ、中のメモを引き裂いて、トイレに流してしまった。

……

その後、寺田凛奈は藤本凜人の婚約者として、玄関ホールで葬儀の手伝いを続け、三人の子供たちは別荘で遊んでいた。

藤本デブちゃんはこっそりドア口から覗き、三人が遊んでいるのを見て、突然叫んだ:「お前たちのお父さんが死んだのに、なんで泣かないの?」