第780話 彼女はレーサーじゃないのに!!

風がカーテンを揺らし、部屋の中で寺田凛奈の顔が明暗を行き来していた。

彼女は鉄の箱の中身を驚いて見つめ、一枚のメモを見つけた。そこにはモールス信号が書かれていた。

しかし、彼女はすでにモールス信号の非常用解読本を解読していたため、たった2分で内容を理解した:【スタッフ大学、資料室、004号。】

資料室、004号?

これはどういう意味だろう?

寺田凛奈は調べる時間もなく、鉄の箱をベッドの下に投げ入れ、中のメモを引き裂いて、トイレに流してしまった。

……

その後、寺田凛奈は藤本凜人の婚約者として、玄関ホールで葬儀の手伝いを続け、三人の子供たちは別荘で遊んでいた。

藤本デブちゃんはこっそりドア口から覗き、三人が遊んでいるのを見て、突然叫んだ:「お前たちのお父さんが死んだのに、なんで泣かないの?」

寺田芽は怒って:「お前のお父さんこそ死んだんだよ!私のお父さんは絶対に死なないもん!」

藤本デブちゃんは嘲笑って:「死なないわけないでしょ?今、お前のお父さんの葬式やってるじゃん!死んじゃったんだよ、もう戻ってこないの。これからお前たちはお父さんのいない人になるんだよ!」

その言葉が終わるや否や、入江和夜はポケットから手を入れ、突然パチンコを取り出し、そばから小石を拾って、藤本デブちゃんめがけて発射した!

「バン!」

小石は正確に藤本デブちゃんの口に当たり、口から血が出た。

藤本デブちゃんは泣きながら逃げ出した:「うわーん、三人で私をいじめた!」

寺田芽:「……」

入江和夜:「……」

藤本建吾:「……」

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今は葬儀を大々的に行うことは許されず、また藤本凜人には祖母、母、父がおり、子供もいるため、大規模な葬儀は適切ではなかった。

そのため三日後、墓地を見つけ、焼かれた遺骨を埋葬した。

死者は去り、生きている者は前を向かなければならない。

葬儀の間、寺田凛奈を困らせる者はいなかった。なぜなら、寺田亮と寺田真治が彼女の傍らを離れず、これにより寺田凛奈はスタッフ大学の資料室004号が何なのか探る機会がなかったからだ。

三日後、みんなが散り、その夜になってようやく、彼女はこっそりとネットにログインし、スタッフ大学資料室にハッキングした。

理論的には、今は科学的な教育が行われているため。