砂の谷の侵入者

マリアは不運だった。ベイルが彼女の寝室がどこにあるのか教えてくれなかったからだ。

そのため、彼女は周りの人に尋ねなければならなかった。

自分の召使いたちに尋ねなければならないことは、すでに十分に屈辱的だった。

何度も尋ねては諦めることを繰り返した後。

ようやく分かった。

行きたくはなかったが、ベイルの脅しはあまりにも露骨で、彼女は恐怖を感じていた。

彼が実行することは分かっていたし、彼はレッドが自分にとって何者なのかを教えることを拒んでいた。

寝室のドアの前に立ち、彼女はため息をついた。

女神に感謝することに、最初の部屋ほど豪華ではなかった。

しかし、それでも普通の召使いの部屋とは違うことは明らかだった。

彼女はため息をつき、ドアをノックしようとしたが、途中で止めた。

謝罪を強要されているだけで、礼儀正しく振る舞うことまでは強要されていない。

髪を肩の上で揺らし、乱暴にドアを開けた。

レッドは飛び上がり、マリアは中に入った。

急いで着替えていたようなレッドは、素早くローブを身にまとった。

マリアは奇妙な膨らみに気付いたような気がしたが、あまりにも早く消えたので、確信が持てなかった。

レッドはローブを体に巻きつけた。

「お嬢様」レッドはお辞儀をした。

見たと思ったものを凝視していたマリアは、挨拶に全く気付いていなかった。

「マリアお嬢様?」レッドは眉を上げた。

「何?」マリアは彼女に向かって鋭く言い返した。

「突然入ってこられて、ただ私を見つめているだけですが。大丈夫ですか?何かお持ちしましょうか?」レッドは尋ねた。

「ああ、分からないわ。何か見えたような気がしたの」マリアは彼女を見つめながら言った。

ため息をつき、首を振った。「忘れなさい」

そしてマリアはレッドを見つめ、本題に戻った。

「あなたに会いに来たの」マリアは言った。腕を組んで、彼女を上から下まで見た。「私の行動について謝りに来たの」

レッドは疑わしげに彼女を見た。

「行動について謝りに来られたのですか?」レッドは尋ねた。

この女の図々しさといったら。

「そうよ!」マリアは彼女に向かって鋭く言い返した。

レッドは彼女を上から下まで見て言った。「許します」

マリアはほっとした。この部屋から出たかった。