第17章：さりげなくお世辞を言う

「おじいさん、これは……叔父が私に頼んであなたに渡すようにと言っていた万年筆です。ご健康とご長寿をお祈りします。」

　　厲長官の顔には特に波風はなく、優しく笑って言った。「私も持っているよ、ハハハ、叔父さんによろしく伝えておいてくれ。」

　　長幼の序があり、贈り物は当然年長者から年少者へと渡される。

　　蘇千瓷は彼の笑顔を見て、美しい目に深い理解の色が一瞬よぎった。

　　この万年筆は、実は彼女の叔父からのものではなく、彼女自身のものだった。

　　以前、暇つぶしに唐夢穎と買い物をしていたとき、とても綺麗だと思って唐夢穎に煽てられて買ってしまったもので、十数万円もかかり、ずっと使わずにしまっていた。

　　しかし、その後まもなく、逆に唐夢穎によって浪費だと非難され、みんなから嫌われる羽目になってしまった。