真っ赤な液体が飛び散るのを目の当たりにして、秦書畫の顔色が一瞬にして青ざめた……
誰も予想していなかった。容睿がこんな時に武器を持っているなんて!
秦書畫は容睿の傍を通る時、特に避けようとはしなかった。しかし、思いもよらず自分の息子を傷つけてしまったのだ!
涙が一気に噴き出し、秦書畫は急いで息子を支え、叫んだ。「司承!」
程幽は蒼白な顔で、周りの十数人のボディーガードが一斉に容睿を押さえつけるのを見ていた。その中の一人が彼の口から小さな物を取り出した。
しゃがんでよく見ると、程幽はそれがスプリングナイフだと気づいた。
小さいが、刃はとても鋭く、飛び出した刃は3〜4センチほどの長さで、ナイフ全体が血で覆われていた。
厲司承の濃い色のスーツの袖は、すでに半分以上が血で濡れ、顔色が一気に蒼白になった。