第437章：蘇千瓷に2度騙された【Insistへの加筆】

しかし、ストレートフラッシュの確率があまりにも低すぎる。この女、本当にそんなに運がいいのか？

金さんは心の中で不安になった。満面の笑みを浮かべるその女性を見つめ、しばらくして、全てのカードを閉じ、「降ります」と断言した。

蘇千瓷は突然大笑いし、厲司承の手を取って、「厲さん、彼が降りましたよ！」と言いながら、手札を開いた。それはスペードのエースだった。

そのカードが出た瞬間、全員が目を見開いた。

厲司承はそのカードを見て、しばらくしてから低く笑い出した。

金さんはそれを見るや否や、椅子から立ち上がり、テーブルを激しく叩いた。「くそっ、俺をからかったのか？」

蘇千瓷は怒鳴られて瞬きをし、笑いながら言った。「おかしいですね。ただのカードゲームなのに、そんなに怒る必要がありますか？ここはカジノですよ。自分が愚かだったのに、私のせいにするんですか？」

厲靳南も笑いを抑えきれず、蘇千瓷に親指を立てて、「すごいぞ、義姉さん。この一局で兄貴が今夜負けた分を全部取り返したんだから、すごい！」

蘇千瓷はその言葉を聞いて、厲司承を見上げた。「いくら負けたの？」

「二千万以上だ」厲司承は彼女の頭を撫でながら言った。「続ける？」

「もちろん続けます」蘇千瓷は他のことは自信がないが、カジノに入ると運が特別良くなる。「続けますか、金さん？」

金さんは冷ややかに鼻を鳴らし、「続けろ！」

しかし、続けて何局かやったが、金さんは散々な負け方をした。

さらに彼を怒らせたのは、蘇千瓷の同じ手に再び引っかかったことだった。

やり取りを重ねるうちに、蘇千瓷はすでに五千万以上勝っており、厲司承が最初に失った分を差し引いても、二千万以上の余りがあった。

ただし、まだ足りない。

厲靳南が先ほど事情を話してくれて、蘇千瓷は少し怒り、頬を膨らませながら、賭けを続けた！

「三千六百万です、金さん。掛けますか、降りますか？」蘇千瓷は花のような笑顔で、指で軽くカジノテーブルを叩きながら、落ち着いた様子で彼を見つめた。

その態度、その表情は、まるで厲司承そのものだった。

厲靳南もそれに気付き、厲司承も気付いていた。

満足げに口角を上げ、躊躇する金さんに視線を向けた。

金さんの手札は、確かにかなりの強さだった。