第453話：体力があるなら、刺激的なことをしない？

彼の不機嫌な表情を見て、程幽は瞬きをして、顔をそらし、空を見上げた。

「痛いな」容睿は手の上の歯形を見た。

大量の出血はなかったものの、この道のりで血はすでに乾いていたが、とても痛かった。

「ふん、自業自得よ」

「さっきお前の母さんが見ていたぞ、俺がお前を引っ張って行った時」

程幽は目を見開いて彼の方を向いた。「どうして分かったの？」

「見たからだ」容睿は淡々と言った。「それに、お前が俺の腕を抱きしめているところも見られた」

「ちがう！私はあなたを噛んだだけよ！」でも言い終わってから気づいた。さっき彼を噛んだ時、彼の体がわずかに動いたのは、もしかして……

「でもお前の母さんから見れば、俺を抱きしめているように見えた。それに……」容睿は彼らが来た道を振り返り、唇の端を上げた。「彼女たちはもう後をついて来ている」

この路地は観光スポットからまだ少し距離があり、辺りには人影もなく、程幽は左右を見回したが、誰の姿も見当たらなかった。

しかし、彼女が周りを見回している時、突然大きな手が伸びてきて、容睿は虎口で彼女の顎を掴み、彼女を押して壁に押し付け、頭を下げてキスをした。

程幽は目を見開き、心臓が狂ったように早く打ち始め、まるで飛び出しそうだった。

言い表せない動悸が、26年間も空虚だった魂の奥底から、予告もなく噴出した。それは激しく、それは壮大だった！

容睿は琥珀色の瞳で彼女を見つめ、舌先で誘い、真っ直ぐに進入して、一度味わったら忘れられなくなった柔らかく甘い舌を捕らえた。

程おかあさんは妹と一緒について来て、遠くから重なり合う二つの人影を見て、大喜びし、手を叩いて妹に自慢げに言った。「だから言ったでしょ？うちの幽幽はこんなに可愛いのに、どうして誰も欲しがらないわけがないでしょう？彼氏がいても私たちに言わなかったのね。今日ね、この若い人が家まで追いかけて来てくれたから、やっと幽幽に彼氏がいることを知ったのよ！」

程おかあさんの妹は羨ましそうな顔をして、「本当に、この若い人はかなりイケメンね」

「ふん、当たり前でしょ。うちの幽幽がどんな顔をしているか見てごらん？」程おかあさんは得意げに言った。「さあ行きましょう、二人の邪魔をしちゃいけないわ。私たちも遊びに行きましょう！」

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