第683話：家族でお出かけ

数人の子供を連れて車に乗り、三人の子供は当然のように後部座席に座り、蘇千瓷は助手席に、厲司承は運転席に座った。

蘇千瓷がヨーグルトを開けると、厲簡悅が後ろから見て、「ママ、欲しい！」と叫んだ。

蘇千瓷が一口飲んだところで、二蘇さんがそう言うのを聞いて、ヨーグルトを後ろに渡そうとした。

しかし渡す前に、厲司承に手を掴まれて引き戻され、真剣な様子で言った。「二蘇さん、ママは朝ご飯を食べていないから、ママから奪っちゃダメよ。ママがお腹が空いていると具合が悪くなってしまうから。」

「はい。」厲簡悅は返事をして、よく分からない様子でルームミラーを見つめ、手に持っているペロペロキャンディーを舐めて、キャンディーを見てから差し出して、「ママ、お菓子食べる？」

蘇千瓷は軽く笑って、首を振った。「いいわ、二蘇さんが食べなさい。」

厲簡謙と厲墨森は模型を手に持って、二人の小さな子供たちは向かい合って開封し、手に持っているお菓子を食べる余裕もないほど、真剣に模型をいじっていた。

康シティの海は、郊外の最も端にある。

厲司承は約1時間ほど運転して、ようやく目的地に着いた。

これは康シティ唯一の海で、人の流れが特に多い。

しかし、国営企業が管理する観光スポットとして、VIPエリアと一般エリアに分かれている。

VIPエリアは明らかに人が少なく、より清潔だ。

今日は太陽が強くなく、曇り気味だが、周りは依然として蒸し暑い雰囲気に包まれていた。

潮風が塩辛く、涼しい水蒸気と混ざって吹いてきて、子供たちは心地よさに少し興奮気味だった。

入るなり、二人の男の子は模型も要らなくなり、全部小さなリュックの中に入れて、そのリュックを全部蘇千瓷に渡すと、興奮して水辺に走っていった。

厲簡悅は二人の兄についていけず、後ろでしゃがんで口を尖らせて駄々をこね、振り返って大声で叫んだ。「ママ、お兄ちゃんたちが私と遊んでくれない！」

「立って、ママが一緒に遊んであげるわ。」蘇千瓷は厲簡悅の手を取り、あの二人の子供が興奮して水に近づきたがるけど、怖くて近づけない様子を見て、軽く笑って呼びかけた。「墨森、大蘇さん、まず靴を脱ぎなさい。靴が濡れないように。」

「うん！」厲墨森は言われた通り、靴を脱いで、きちんと横に並べた。