第695話:行かないで……

羅戦は力を込めてズボンを引っ張り、振り返って手を伸ばし、いらだたしげに彼を強く押しのけた。頬を赤らめ、怒り心頭で叫んだ。「行け行け!酔っ払いは大人しくしてろ!」

そう言うと、急いで立ち上がり、自分でズボンを開いて確認した。

特に明るい場所を探して見てみると、しばらく考えた後、どうやら問題なさそうだし、さっきほど痛くもなくなっていた。

振り返ると、陸亦寒は既に半分倒れるように床に横たわっており、鼻血が止まらずに流れ続けていた。

これは……

あまりにも惨めだ。

羅戦は突然、自分が天使のような、仙人のような存在だと感じた!

なんて優しい心の持ち主なんだ!

「はぁ、本当に借りができちまったな!」

前に出て彼を起こし、ドアに寄りかからせ、自分はティッシュを探しに行った。

ティッシュを一包み取って彼の顔を拭き、その後陸亦寒のウェットティッシュを探してきて、顔を綺麗に拭いた後、ティッシュで鼻の穴を塞いだ。