蘇千瓷は顔を赤らめ、彼に抱かれながら半ば強引にシャワーを浴びたが、すぐに彼は大人しくなくなった。
厲司承は彼女の手を取り、自分の体の上を左右に触らせ、上下に触らせ……
蘇千瓷は目を閉じ、なるべく彼を見ないようにした。
しかし手を掴まれて……
信じられない思いで振り向くと、彼に唇を奪われ、優しいキスが下へと移動し、唇が彼女の肌に触れながら、低い声で言った:「厲奥様、今度は僕の番だよ、おとなしくして、今日は僕の誕生日なんだから。」
「私……」蘇千瓷は恥ずかしさで顔を赤らめ、「やめて……」
「この前、星を見た時も、やめてって言ったよね。」
結局そうなったじゃない?
蘇千瓷は赤面しながら、必死に彼を押しのけようとしたが、全く動かすことができなかった。
導かれるままに、ゆっくりと屈んでいった……
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古城は、昔から観光地として知られている。
湖南の鳳凰や、河南省の商丘市、山西省の平遙市など、国内で最も有名なのは、やはり雲南の麗江市だろう。
同時に、麗江市にはホテルや旅館も多く、様々な民族色豊かな装飾品や通りが、麗江市の至る所に広がっている。
9月30日の昼間、麗江市のバー街から程近い宿はすべて満室だったが、優雅な一人暮らしという名の宿には、わずかな客人しかいなかった。
若い男女が、眼鏡と帽子をかぶって入ってきた。男性は大きな登山用バックパックを背負い、女性は大きなキャリーケースを引いていた。キャリーケースの車輪が回る音は、とても大きかった。
すぐにカウンターで居眠りをしていた店主を起こしてしまった。
若い男性は体格がとても大きく、強そうに見えた。
首にはプラチナのプレートネックレスをつけており、どんな模様かは分からないが、良い獲物に見えた。
店主はちらりと見て、だるそうに尋ねた:「宿泊ですか?」
「はい、でも財布は妻のバッグの中にあって、来る途中で盗まれてしまったんです。身分証明書なしで泊まれますか?」その男性の声は少しかすれており、喉の調子が悪いようだった。