「そんなに痛いの?」
「大丈夫よ……」林澈は自分の手を引っ込めながら言った。「まだ大丈夫。ちょっと筋肉痛みたいな感じ。たぶん力を入れすぎたから……」
「ごめん……」顧靖澤は彼女を見下ろしながら低い声で言った。
昨夜はほとんど理性を失っていて、自分が気持ちよくなることだけを考えていたが、彼女の体のことを考えていなかった。
何回もして、毎回長く続いていたから、きっと彼女はとても疲れているはずだ。
林澈は首を振った。「大丈夫よ、あなたのせいじゃないわ。」
顧靖澤は言った。「結局は僕のせいだよ。」
「本当にあなたのせいじゃないわ。」林澈は言った。「あなたを我慢させたままにしておくわけにもいかないでしょう。」
「……」
林澈は昨夜自分から身を捧げると言ったことを思い出し、急いで説明した。「だから……私があなたを助けると言ったのは、自分の体を使ってでも構わないって意味よ。どうせあなたがあんなに苦しそうだったから、もし薬の効果が切れなかったら、あなたが我慢しすぎて体を壊したら、私も人に説明できないでしょう。」
だから、彼女がそう言ったのは、他意はなく、ただ彼を助けるためだけだった。
顧靖澤は彼女を見つめて言った。「わかるよ、君の気持ちはわかる。でも、僕は君を解毒剤として使うことはできない。君は解毒剤じゃない、君は物じゃない、君は一人の人間だ。僕にはそんなことはできないんだ。」
林澈はハッとした。
彼がそんな風に考えているとは思わなかった。
彼の尊重の気持ちが、彼女の心の底を温かくした。
これこそが顧靖澤なんだ、こんなにも素晴らしい人なんだ。
顧靖澤は、自分が最後の一線は守れたと思った。そうでなければ、本当に自分を許せなかっただろう。
林澈は指でベッドシーツの上を無意識に滑らせながら、うつむいて言った。「別に……別に大丈夫よ。解毒剤なんかじゃないわ。」
「解毒剤だよ。あれは僕の無意識の発散だった。僕は君の上で発散してはいけないんだ。」
そういうことは、彼にとっては、やりたいことではあるけれど、同時に二人がお互いを尊重し合える状況でなければできないことだと考えていた。
神聖で、純粋なものであって、単なる発散ではない。