中で、陸初夏は一目で顧靖澤が林澈を連れて入ってくるのを見た。
最初は嬉しそうに手綱を握っていたが、顧靖澤と林澈の二人が同じ系統の服を着ているのを見て驚いた。
一人は暗緑色に黒の縁取りの乗馬服で、もう一人は黒に緑の縁取りの服だった。
二人はペアルックで来たの?
陸初夏は林澈の顔に目を固定し、緑色が似合う彼女の眩しい姿を見て、怒りが込み上げてきた。
ただ見られる程度の顔があるだけなのに。
その顔が台無しになったら、顧靖澤を誘惑できるかどうか見てやろう。
林澈は顧靖澤と一緒に入ってきて、顧靖澤の傷を心配して顔を上げ、「怪我は大丈夫?」と尋ねた。
顧靖澤は軽く頷いて、「問題ない、激しい動きを避ければいい」と答えた。
しかしその時、顧靖澤の瞳が光った。
中で、手綱を離れた馬が轟音を立てて、こちらに向かって走ってきた。