第349章 暴走した馬が林澈に向かって突っ込む

中で、陸初夏は一目で顧靖澤が林澈を連れて入ってくるのを見た。

最初は嬉しそうに手綱を握っていたが、顧靖澤と林澈の二人が同じ系統の服を着ているのを見て驚いた。

一人は暗緑色に黒の縁取りの乗馬服で、もう一人は黒に緑の縁取りの服だった。

二人はペアルックで来たの?

陸初夏は林澈の顔に目を固定し、緑色が似合う彼女の眩しい姿を見て、怒りが込み上げてきた。

ただ見られる程度の顔があるだけなのに。

その顔が台無しになったら、顧靖澤を誘惑できるかどうか見てやろう。

林澈は顧靖澤と一緒に入ってきて、顧靖澤の傷を心配して顔を上げ、「怪我は大丈夫?」と尋ねた。

顧靖澤は軽く頷いて、「問題ない、激しい動きを避ければいい」と答えた。

しかしその時、顧靖澤の瞳が光った。

中で、手綱を離れた馬が轟音を立てて、こちらに向かって走ってきた。