第433章 デザートを届けるのもかっこいい

小青ちゃんは既に嬉しそうに走って戻ってきた。「かっこよすぎる！林澈の彼氏の声、すごく素敵！」

「はいはい、みんな聞いたから、もう強調しなくていいわよ」

「林澈、こんなに素敵な声なんて、声を聞いただけで妊娠しちゃいそう」

林澈は皆の様子を見て呆れた。

顧靖澤もただの冗談で済むと思っていたが、しばらくすると、外から突然声が聞こえてきた。

小青ちゃんがドアを開けると、数人が大きな箱のお菓子を持って入ってきた。

「林澈様でしょうか。こちらペニンシュラホテルのデリバリーでございます。お受け取りいただけますでしょうか？」

匯匯は突然叫び出した。「わぁ、ペニンシュラホテルのお菓子！まさか、いつからデリバリーを始めたの？」

他のクラスメートも言った。「すごく高いでしょう。この前行った時、小さなストロベリーパイ一つが五千元もしたわ」

「わぁ、今回こんなにたくさん届いて、いったいいくらするんだろう」

「ペニンシュラホテルのお菓子をデリバリーさせられるなんて、どれだけの力があるんだろう」

みんなが精巧な箱を開けて中のお菓子を見ると、感嘆の声を上げ、林澈を見る目がより羨ましそうになった。

林澈にこんな金持ちの彼氏がいるなんて。

もちろん、彼らは他人に話すほど愚かではなかった。

この界隈のルールとして、外部に話してはいけないことがある。

でも、それは羨ましく思うことを妨げはしない。

片隅にいた秦綰綰だけが、みんなが林澈の周りに媚びへつらって集まり、林澈に追従している様子を見ていた。

林澈の彼氏に好奇心を抱きながらも、聞き出せずにいた。

まるで林澈が皆の中心になったかのように、秦綰綰は自分がこのように見下されている感覚が嫌だったが、今はただ傍観するしかなかった。

いつでもペニンシュラホテルのお菓子を届けられる彼氏がいないのは、彼女のせいなのだから。

この点について秦綰綰は少し不思議に思った。

林澈が来るのを見て、思わず尋ねた。「さっきの人は誰？顧靖予？」

林澈は言った。「まぁ...特に話すことのない人よ」

秦綰綰は言った。「どうせ私が知っても他人には言わないわ。でも、ペニンシュラホテルのお菓子をここまで届けられる力があるなら、顧靖予ならできるわね。ただ、あの声は顧靖予とは少し違う気がする。まぁ、電話だと声が違って聞こえるのかもしれないけど」