「もう見ないわ。全然権威のあるものじゃないし、みんなで楽しむだけのものよ。本当につまらないわ」
芸術大賞は悔しい思いをしていた。秦綰綰がこんな事を起こしたせいで、みんなが芸術大賞を軽視し始めたのだ。
確かに、ゴールデンネーム賞に比べれば、大したものではない。
その日の芸術大賞には、確かに多くの人が来ていたが、秦綰綰があそこに座っているのを見て、みんな彼女のことを恥ずかしく感じていた。
本来なら芸術大賞に参加して、メディアの注目を集めたかったのに、今では恥ずかしくて参加したくないと思うようになり、大賞が急にレベルの低いものになってしまったと感じていた。
その夜、秦綰綰は大賞の一位を獲得できなかった。代わりに、最近結婚して子供を産んだというニュースで支持を集めたベテラン女優が、思いがけず一位を獲得した。
翌日。
林澈のニュースが大々的に報道される一方、秦綰綰の大賞参加のニュースは、ほんの少しのスペースしか占めておらず、まるで付け足しのように触れられただけだった。
オフィスで、林さんは慌てて言った。「こうなるとは思わなかったわ。綰綰、焦らないで。今回は予想外だったから、彼女に出し抜かれちゃったけど、次は絶対大丈夫よ。まさか彼女が黙ってゴールデンネーム賞にノミネートされるなんて、どうして気づかなかったのかしら」
「もういいから、出て行って!」秦綰綰は目の前の記事を食い入るように見つめ、顔色は青ざめていた。
一方、林澈は。
学校に着くと、みんなは冤罪を晴らした林澈を見て、この数日間彼女を疑っていたことに申し訳なさを感じ、遠くから挨拶を送り、励ましと祝福の言葉をかけた。
林澈は気分爽快で、今日は天気まで妙に良く感じられた。
教室に入ると、先生は林澈を見て、もう嫌な顔をする勇気もなく、急いで熱心に声をかけた。「林澈、来たのね。そうそう、主演女優賞にノミネートされたって聞いたわ。素晴らしい、素晴らしい。若くして有望だわ。これからも頑張ってね」
林澈は、以前の彼らが自分を見下し、秦綰綰の方を評価していた態度を忘れていなかった。冷淡な笑みを浮かべて「ありがとうございます」と言い、自分の席に戻った。
クラスメートたちは急いで集まってきて、林澈に言った。「もし今回あなたが影后になったら、私は影后と同級生だったってことになるのね」