林澈と顧靖澤は、彼女のことを気にも留めなかった。
顧靖澤はずっと林澈を見つめていた。
「何を見ているの?」
林澈は地図を注意深く見ながら、彼に言った。「スマホの地図を見てるの。場所を選ぼうと思って。この辺りには堀があるから、河岸がいい場所かもしれない!」
「蚊が多いぞ」
「……」林澈もそうだと思った。「じゃあ、あっちの公園はどう?公園でもいいかも」
「暗すぎる」
「そうだね、照明がないし、公園の灯りはすごく暗いもんね。じゃあ、このアパートの辺りはどう?」
「人が多すぎる」
「……」林澈は顧靖澤を睨みつけた。この男は本当にうるさい。
「もういいわ、堀の近くにしましょう。蚊なんて怖くないわ。どうせバーベキューで炭を使うんだし、最悪、虫除けスプレーを多めに塗ってあげるから、ハハハ」