ボディーガードは、周りを探し回ったが、人は見つからなかったと言った。
範囲を広げて、周辺も探してみた。
しかし、この辺りは比較的辺鄙な田舎で、周囲に監視カメラも少なく、立ち去った人の行方を追うのは本当に難しかった。
さらに悪いことに、陸北辰は部屋で、顧靖妍が財布も携帯も銀行カードも小銭も持たずに出て行ったことに気付いた。何も持たずにどこへ行ったのだろうか……
陸北辰はようやく焦り始め、外で電話をかけて人を探すよう指示した。
林澈も中で非常に心配していたが、顧靖澤が黙っているのを見て、邪魔をする勇気もなく、彼に静かに考える時間を与えた。
一時間が経過したが、まだ見つからなかった。
顧靖澤は突然、陸北辰の襟首を掴んだ。
「靖妍に何かあったら……」
「分かっている。彼女に何も起こさせない」陸北辰は顧靖澤の手を振り払い、大股で出て行った。